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歴史と幻想の水先案内人

掘り出しラノベレビュー 銃姫

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レーベル:MF文庫J

著者:高殿円

イラストレーター:エナミカツミ

発売年月日:2004年4月

あらすじ 銃と魔法のファンタジー

遥か遠い昔、神々は争い続ける人間から魔法を使う力を奪ったが、人間達は銃を媒介にして魔法を行使する術を編み出し、再び争いを始めるようになった。

そして時は流れ、飛び翔ける竜の国スラファトの侵略政策によって世界のパワーバランスが大きく変わろうとしている時代、銃姫と呼ばれる太古の遺産が盗まれる事件が発生する。

銃姫とは引き金を引いた者が望んだ「言葉」をこの世から消し去ることが出来るとされる非常に危険なものであった。

若き僧兵セドリックとシスターのエルウィングは共に銃姫を取り戻す使命を受け、途中で出会った少女アンブローシアを仲間に加えて旅をすることになる。

やがて三人は様々な勢力が策動を巡らす渦中に巻き込まれていき、己の運命と向き合うことになっていく。

解説 異色の作家高殿円さんについて

著者の高殿円さんは角川ビーンズ文庫からデビューされた方ですが

ライトノベルの枠に収まらず、一般向け小説も書いておられる幅広い才能の持ち主です。

ライトノベルでは主にファンタジー世界を舞台にした作品が中心ですが、一般向け作品だとミステリーを書いていらっしゃるみたいで

特に「トッカン 特別国税徴収官」シリーズや「上流階級〜富久丸百貨店外商部〜」シリーズはドラマ化もされています。

いずれはそちらの作品も読んで感想をシェアしたいですね。

感想 斬新な発想からは想像すら出来ない重厚な世界観を持つ王道ファンタジー

旅を続ける主人公達がいつの間にか世界の命運を左右する争いに巻き込まれていく構図が鋼の錬金術師やFF12みたいで個人的にとても好きなんですよね。

その上、世界観の作り込みが本当に素晴らしくてグッと作品世界に引き込まれてしまいます。

ここまでやらなくても良いのにという所まで作り込むところが作者の実力というか、様々なジャンルで活躍される所以なのかなと率直に感じました。

ただ気になった点もありまして

私、この作品を手に取るまでは銃と魔法のファンタジーということで他では読めないアクションを期待していたんですよね。

だけどそこはちょっと思ってたのと違ってましたね。スピード感とか硝煙の匂いが足りなかったです。

良くも悪くも第一印象とギャップがある作品ですね。

アクションやバトルが好きな人とかだと一巻で切ったり、逆に本格的なファンタジーが好きな人でも銃と魔法という突飛な入り口からは中々入ってこなかったんじゃないかな……と感じました。

こんな人にオススメ

鋼の錬金術師やFF12、あとはファルコムの作品が好きな人には合うと思います。

BOOK☆WALKERにも入ってますので、登録してる人は是非読んでみて下さい。

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銃姫 1 ~Gun Princess The Majesty~ (MF文庫J)
銃姫 2 ~The lead in my heart~ (MF文庫J)