レーベル:MF文庫J
著者:紙城 境介
イラストレーター:しらび
発売年月日:2023 年6月
あらすじ:真実を、競い合え──！
増加する凶悪犯罪に対抗し、探偵という職業の必要性が飛躍的に高まった現代。
日本で唯一「国家探偵資格」を取得できる超難関校・真理峰探偵学園に今年、とある少年と少女が入学する。
一人はかつて〈犯罪王〉と称された男の孫・不実崎未咲。
もう一人は〈探偵王〉の養女・詩亜・E・ヘーゼルダイン。
宿敵同士の末裔二人が、ここに邂逅したのだ！
そして始まる学園の日々。早速入学式から模擬事件が発生!?
しかも、一番先に正解したはずの詩亜よりなぜか不実崎の方が点数が高くて──
｢私は──あなたに挑戦します！」
「後悔すんなよ、お姫様｣
これは、真実を競い合う新たな学園黙示録。最高峰の知的興奮がここにある！
ラノベらしいラノベ
ラノベらしさとは取っつきやすさです。
様々なジャンルに気軽に触れられる、それがライトノベルの大きな魅力の1つで、その点本作はミステリー要素を上手く料理した作品と言えるでしょう。
探偵全盛時代にして、犯罪全盛時代
良いですね、こういう尖った世界観。
一癖も二癖もあるキャラを動かしても違和感が仕事をしない。
謎解き要素に頼らず、ちゃんとキャラクターを立ててラノベにしてるのも本当に凄いなと思いますね。
それでいながらミステリーとしての魅力もあり、続きが気になって一気に読み進めてしまいました。
ミステリーに疎い読者も謎解きに参加出来るような仕掛けもされていて、本当に丁寧な作品づくりがされてましたね。
私は結構昔の作品を懐かしむタイプのオタクですが、本作ではラノベの進化をひしひしと感じることが出来ました。
人によってはこうしたミステリー要素を含んだライトノベルを本格ミステリーと比較して見下す場合もあるでしょうが、私はレモンをレモネードにしていく作家さんは、1人でも多くの人が活字の世界に触れる為には無くてはならない仕事だと思いますし、もっともっと評価されて良いと思うんですよね。
アニメで映えること間違いなし
強いて本作の欠点を上げるとするならば、ミステリーに慣れてない読者からするともっと視覚的な情報を与えないと、イメージが掴めず置いてぼりになるんじゃないかというところですね。
アニメになるとその点が解消されるので、アニメ化するとめっちゃ化けるのではとも思います。
欠点というよりは、今後の伸びしろですね。
イラストも可愛いので、ヒットアニメ狙える素材なんじゃ無いでしょうか。
【シャーロック+アカデミー: 犯罪王の孫、名探偵を論破する】が合う人合わない人
本格ミステリー以外ミステリーとは認めない、なんて人でなければ割とどなたにでもオススメ出来る作品なんじゃ無いかなと思います。
現在2巻まで出てますので、気になる方は是非読んでみて下さい。
ここまで記事を読んでくれたあなたに、素敵な作品との出会いがありますように。
