レーベル:富士見ファンタジア文庫
著者:雨木シュウスケ
イラストレーター:深遊
発売年月日:2006年3月
今回は第一部とされている一巻から五巻までを読んでみました。
あらすじ
公式サイトより引用
感想 ありそうだけど無かった作品
ポストアポカリプスを思わせる退廃的な雰囲気からは全く想像つきませんでしたが
異世界×学園×ファンタジーの3要素がとても良いバランスで纏まっていました。
ラノベではありがちなジャンルですがここまでの水準に仕上げた作品は他に無いと思います。
特に好きだったポイントは登場人物一人一人の心理描写です。
家族との関係や将来に対する不安、友人関係での悩みや淡い恋心など
レギオスの世界で生きる等身大の少年少女達の姿が驚くほど緻密に描かれていて、作品のリアリティを引き上げています。
「このジャンルでここまでやる必要があったのか?」と感じるほどです。
その分、エンタメ的な爽快感は幾分か抑えられている気がします。
主人公のレイフォンをはじめ主要人物の殆どが、何かある度に葛藤しては納得するまで行動に移さないところがあります。
心理描写の緻密さと引き換えな部分があるので仕方ないとは思いますが
一人で物語を引っ張ることが出来るキャラクターがいないというのが気がかりです。
正直読んでいる時に
「ここはキャラが勝手に動いてくれたから作者さん書きやすいんだろうな」
と感じたところと
「キャラが自分から動いてくれなくて作者さん無理矢理書き進めたんだろうな」
と感じたところとがハッキリ別れていました。
ただ、迷える少年少女たちで物語を成立させる雨木シュウスケ氏の技量は間違いなく相当な高みにあることは間違いありません。
こんな人にオススメ
・異世界学園ファンタジーが好き!
・作り込まれた世界観を楽しみたい!
・バトルものが読みたい