あらすじ
体育館の2階でいつもの様にしまむらとサボっていた。
この場所と、友達未満の距離感でいられるしまむらは心地が良い。
ある日、偶然しまむらが知らない人達と帰っている場面に遭遇した。
目は合ったけど特に声は掛けなかった。
次の日お互いその事を気にしているのか、いつもの場所には微妙な空気が流れていた。
そんな中しまむらから今日授業を受けよう、と今日一緒に帰ろうならどっちがいい?
と提案された。
私は――。
※公式ホームページより引用
感想 ありふれた日常がここにしかないドラマに
深いテーマや重いストーリーもなく頭を空っぽにして、萌えやエロを楽しめる作品を求める人にはあまり合わないかもしれません。
本作では、人付き合いの苦手な二人の主人公安達としまむらが互いを特別な存在として意識していく過程がとても丁寧に描かれているのが特徴で
特に安達は、人間関係で悩んだことがある人なら誰もが応援したくなる主人公では無いでしょうか。
私も彼女の空回りぶりを見ていると中学生や高校生の頃を思い出してしまいます。
個人的にポイントが高かったのは、大きな事件の起こらない日常の中にあって二人の葛藤と成長が細やかに描かれていることです。
安達としまむら二人の関係が親友や恋人といったステレオタイプな枠に収まらない多面的な色を見せてくれたことです。
見出しにも書きましたが、ありふれた日常をここにしかないドラマに昇華しています。
こうした作風はアイデアの斬新さやキャラクターの奇抜さで勝負が出来ず
声優さんの演技力や作画や演出の上手さといった地力の有無が直に作品の成否に響くことになるのですが、しっかりそのハードルを越えています。
2021年秋アニメナンバーワンと多くの人から評価されているだけはありますね。
また、安達としまむら二人の関係が親友や恋人といったステレオタイプな枠から外れていることも好感が持てたポイントです。
以前掘り出しラノベレビュー マリア様がみてる - ルミィの図書館でも書きましたが
ステレオタイプな関係性に縛られることなく様々な人間模様を描くことが出来ることこそ、百合の魅力です。
友情、恋愛または家族の愛に飢えた一種の依存それらが複雑に絡み合った関係性は安達としまむら二人だけの間に生まれた関係性であり、だからこそ本作が特別な物語として成立するわけです。
マリみてと言い、小説原作の百合作品とかなり私は相性が良いみたいですね。
こちらは原作小説はまだ未読なので時間を見つけて読んでいきたいと思います。