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歴史と幻想の水先案内人

掘り出しラノベレビュー シャルパンティエの雑貨屋さん

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公式ホームページより

レーベル:アリアンローズ
著者:大橋和代
イラストレーター:ユウノ
発売年月日:2014年12月

あらすじ

「地竜の加護商会へようこそ!」
先祖代々雑貨屋を営む家の娘、ジネット。しっかり者の看板娘として近所でも評判だが、嫁ぎ先が目下の悩みの種であった。
そんなある日、兄がどこかもわからないシャルパンティエ領で出店ができる営業許可証を貰ってくる。ジネットは、自分のお店を持ちたいという夢を胸に旅立ちを決意する。その道中、彼女は騎士ユリウスと運命の出会いを果たす。
その彼こそが、辺境の地シャルパンティエの領主だった。ランプにポーション、堅焼きパン!
笑顔であなたを待ってます! 異世界の雑貨屋さん、ただいま開店準備中!!

感想

アリアンローズは、「異世界で女の子が活躍する、女性のためのファンタジーノベルレーベル」をコンセプトにした女性向けレーベルで、2013年よりフロンティアワークスが手掛けています。

本作はその第一回アリアンローズ新人賞にて最優秀賞を受賞して書籍化された作品です。

「小説家になろう」から書籍化された作品でもあるのですが、同時期に「Re:ゼロ」や「オーバーロード」等の「異世界転生もの」が一世を風靡したこともあって、埋もれてしまった印象ですね。

しかし、創刊して間もないレーベルの顔として抜擢されただけあって、作品の質はとても高いです。

物語の内容やキャラクターはもちろんのこと、柔らかな筆致が作品の世界観と相まってとても心地良いです。良質なファンタジー作品として女性に限らず男性の方にも自信をもってお勧めできます。

私がこの作品の一番好きな点は作者が主人公であるジネットのことをとても大事に思っていることが随所から感じられることです。

作者にとってジネットが生きる世界や出会う人を描くことが彼女に対する愛情表現になっていたのではないでしょうか。

売れる設定や売れるキャラクターを上手く配置してヒットを飛ばすことの方が、プロの作家としては必要な技能かもしれませんが、それ以上に大切にしたいものを持ってる作家さんが私は好きなんです。

こんな人にオススメ

・刺激ではなく癒しが欲しい

これに尽きます。
読書はただ内容を把握するためだけではなく、言葉を通して心を暖める行為でもあるのだなと改めて実感しました。

購入はこちら
シャルパンティエの雑貨屋さん 1 (アリアンローズ)

作者様サイト
http://mypage.syosetu.com/267935/

シャルパンティエの雑貨屋さんもなろうで読めますが、本作は紙で読むべきだと思います。

と言うかこの大橋和代さんは紙で読むことで魅力が倍増する作家さんだと思うので、またどこかで書籍化して欲しいです。