ほぼ週刊★平民貴族

面白き ことも無き世を 面白く

アイドリープライドは既存のアイドルアニメとどう差別化しているのか

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IDOLY PRIDEとは

ABEMAを運営するサイバーエージェントグループ

Sony Music傘下の声優事務所ミュージックレイン

そして多方面に渡るクリエイターマネジメントを手掛けるストレートエッジ

この三社が主導するアイドルを題材としたメディアミックスプロジェクトだ。

idolypride.jp

原案には【ラブライブ!】を手掛けた花田十輝

シリーズ構成にアニメ版アイドルマスター(765及びシンデレラ)に参加した高橋龍也

などこれまでアイドル作品で実績のあるスタッフを揃えている。

プロジェクトの始動自体は2019年だが、2021年1月に満を持してアニメ放送がスタート

今年中にゲームアプリのリリースも決まっている。

ここまで資金と労力を注ぎ込んだ企画はアイドルジャンル以外にも殆んど見受けられないこともあって、かなり気になる存在だった。

特にアイドルをテーマにした作品はレッドオーシャンだ。

アイドルマスターやラブライブ!といった長い歴史と実績を持つコンテンツがひしめき合い、新規コンテンツがそのパイを削ることは難しいとされてきた。

ではこのアイドリープライドはどのような手で差別化をしていくのだろうか。

現代のアイドルは参加型コンテンツ

本題に入る前に、今のアイドル作品がどのような傾向にあるか考えていこう

昨年の暮れにこんな記事を書いた。

www.forumromanum.me

昨年のネット流行語大賞で、アイドルマスターシンデレラガールズの登場人物、辻野あかりの非公式ソング「たべるんごのうた」が賞レースを独走した話だ。

この「たべるんごのうた」はコンテンツ内の企画である総選挙の結果にも大きな影響を与え、まさにアイドルマスターシリーズを象徴する出来事と言っても良いだろう。

そして何より現代におけるアイドルというジャンルの有り様を反映している。

つまり昨今のアイドルは参加型コンテンツとしての側面が強いのだ。

ファンはグッズやサービスの対価としてだけでなくアイドルを応援するためにお金を払い

オフィシャルな作品だけでなくファンの二次創作までもがコンテンツを普及させる追い風となる。

作り手と受け手が一緒になってコンテンツを盛り上げていくその姿は、サッカーでいうクラブチームとサポーターの関係に近い。

アイドリープライドの特徴

細部までの作り込み

一方でアイドリープライドはどうだろう

アニメを3話まで視聴し公式ユーチューブで楽曲を幾つか視聴しての印象だが

細部まで良く作り込まれている。

ともすれば息苦しさを感じるほどに。

公式ホームページのキャラクター紹介や相関図を見ても

一人一人の個性よりも、伏線を張り巡らせたシナリオの上にキャラクターを置いているように感じた。

二次創作によって広がりを生むアイマスやラブライブ!ではここまで作り込まない。

自由に想像を膨らませることが出来るよう、可能な限りその余地を残す。

応援したくなるアイドルとしてではなく、圧倒的カリスマとしてのブランディング

更にこの作り込みはライバルユニットに至るまで徹底的に行われている。

既存作品にも勿論ライバルとなるユニットが登場するが

本作では【TrySail】 と【スフィア】といった既に音楽活動をしている声優ユニットをそのまま起用し、CDリリースも早々に行うなど、準主役級の扱いをしている。

更に特筆すべきは、昭和を代表するアイドル松田聖子の娘にして歌手や俳優としての実績を持つ【神田沙也加】を、作中で伝説的なソロアイドルとされる【長瀬麻奈】役で起用したことだ。

アイドリープライドは様々な媒体を通して、特にこの長瀬麻奈をスター性を持った圧倒的なカリスマとしてブランディングすることに力を入れている。

こうした起用から見るにコンテンツ全体を

等身大で応援したくなるアイドル像から脱却させ

他を寄せ付けない才能と実力を持った絶対的なアイドル像を打ち出そうとしているように考えられる。

さいごに

参加型ではなく崇拝型とも言えるアイドリープライドは見方によってはアイドルの原点に立ち返ったとも言えるかもしれない。

既存の作品との棲み分けはハッキリしてくるのでは無いだろうか。

個人的にも、アイドルマスターやラブライブ!は能動的に楽しむ上ではとても魅力的である面、受動的に楽しむ上ではやや不親切な面があると感じていた。

そんな中アイドリープライドは、これまでアイドルというジャンルに触れたことが無い人を呼び込むだけでなく、一度ジャンルから離れていった人をも呼び戻す可能性を感じる。

まぁ、あくまで現時点の話に限るが。

そんなわけで、本作はこれまでアイドルに関心が持てなかった人ほど、一度触れてみることをお勧めする。