今回は80年代~90年代にかけて製作された映画の中から
特にこのクリスマスから年末年始にかけて、皆で観るとより一層楽しめる映画をチョイスしてみました。
「こういうのでいいんだよ」クリスマス映画:34丁目の奇跡
アメリカでは1947年に劇場公開されて以降、ドラマと映画とを合わせると4回リメイクされているメジャーな作品ですが、日本では洋画好きな方以外にはあまり知られていない作品です。
本作はクリスマスを控えたニューヨークに本物のサンタクロースが現れる、というお話し。
我々日本人にとってはただの商業的イベント又は恋人たちのイベントでしかないクリスマスですが、アメリカにおいてはやはりキリストの生誕を祝う祭です。
お祭りも騒ぎだってもちろんするのですが、決してそれだけに留まらない特別な行事としての独特の空気感が全編通して伝わってきます。
日本でも人気を博したホーム・アローンがクリスマス×コメディの決定版だとしたら、本作はクリスマス×ヒューマンドラマの決定版と言ったところでしょうか。
皆さんにお勧めしたいのは1994年版
ジュラシックパークでジョン・ハモンドを演じたリチャード・アッテンボローがクリスクリングル(=サンタクロース)を好演が光ります。
まるでおとぎ話の中にいたサンタクロースがそのままスクリーンに現れたかのような演技に、サンタクロースを信じてやまなかった幼きの日の気持ちが呼び起こされること間違いなしです!
観た後、少しだけ優しくなれる、そんなお話。
お正月と言えば香港映画映画:ポリス・ストーリー/香港国際警察
知らない人の方が少ないんじゃないかというくらい有名な香港映画の金字塔。
お正月に観る映画=香港映画、というイメージを持っているのは自分だけでしょうか。
我が家では、お正月に親戚一同が集まった際に大人たちは皆テレビで箱根駅伝を観るのですが、駅伝が退屈な子どもたちはその間別室で炬燵に入りながら映画を観て時間を潰すのがお決まりでした。
その時に両親らが選ぶ映画が、ポリスストーリーをはじめとした香港映画だったんです。
プロジェクトA、スパルタンXなどジャッキー・チェン主演の映画は数多く見ました。
あと、【幽玄導師】シリーズというキョンシーが出てくる映画も子どもたちの間では人気でした。
炬燵に入ってお菓子を食べながら皆で映画を観て
観終わったら近くの公園でカンフーごっこをして
映画によっては全く内容を覚えてなかったりするのですが、そうやって遊んだのがめちゃくちゃ楽しかったことは確かです。
思えば自分の映画人生において、最も映画を楽しく鑑賞できた時はこの時だったんじゃないかなと思います。
今では娯楽がたくさんあって、古い香港映画をあえてチョイスする必要は無いのでしょう。
けど、自分も両親がそうしてくれたようにに大人として子どもたちに香港映画を見せてあげたい。
世の中を良くしていくことって、子どもたちがお正月に集まってポリスストーリーを観れる社会を作っていくことなんだと自分は強く思います。
文句なしの大作:ダンス・ウィズ・ウルブズ
1990年に公開され、アカデミー賞にて作品賞を受賞した本作は南北戦争期のアメリカを舞台にケビン・コスナー演じる孤独な軍人とネイティブアメリカンの心の交流を描いた異色の西部劇です。
昨今ポリティカル・コレクトネスという言葉が話題になったように、今では大作映画になればなるほど様々な人種や宗教に配慮した作品作りが求められ、批判を避ける為の守りを意識した映画作りが目立ちます。
本作でも未開の野蛮人として描写されがちだったネイティブ・アメリカンにスポットを当て、白人による乱開発や人種差別に警鐘を鳴らしてはいるんですが、そこに守りの姿勢は無く
寧ろ、今までの常識を覆してやるんだと言わんばかりの攻めの姿勢を感じます。
やはり、時代が良かったのでしょう。今、同じテーマで映画を撮ろうとしてもこういう映画はもう作れないんじゃ無いでしょうか。
3時間を越える大作映画なので、是非年末年始のように長期休暇がとれる時期に腰を据えてじっくり堪能して欲しいです。
大人どうしで集まって何か深く語り合うにはうってつけの1本になるかと思います。