ほぼ週刊★平民貴族

心豊かに生きることをテーマにした雑誌ブログ。主に映画と歴史と書籍について書いています。

書評:フィードバック入門:ー耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術ー

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今週のお題「○○の秋」

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作者について

作者の中原淳さんは東京大学教育学部を卒業後、様々な研究機関を渡り歩き、2006年より東京大学大学教育センター准教授を務めています。

この経歴だけでも、作者が人材開発研究の第一人者であることが見てとれます。

「とは言っても、研究者なんて実際に企業で働くわけではないし、机上の空論なんじゃないか?」

そんな批判の声を上げる人もいるかもしれません。かく言う自分もその一人でした。

しかし、読み進めてみるとお分かりいただけると思いますが

そもそも東大の研究機関にいるだけあって、入手できる情報の質が高いです。

大手企業のマネージャーの実体験に基づく情報なんかは、企業で働く人でも中々入手できないでしょう。

また、本書が刊行された2017年まで11年以上研究を続けているからでしょうか

社会情勢の変化とともに、求められる人材や適切な育成方法が変化していく様を俯瞰的に捉えています。

なので、我々社会人が現場で実を踏むことによって得てきた成長とは異なる切り口からの学びが得られます。

自分は本書を読んで、一つの分野を専門的に研究する方々が如何に社会にとって必要なのかを改めて実感しました。

作品について

前回取り上げたBeing Management はリーダーとしての考え方や物の見方にフォーカスした内容でした。

www.forumromanum.me

本書はそれとは対照的で具体的なやり方にフォーカスした一冊です。

フィードバック入門というタイトル通り

本書ではフィードバックと呼ばれる部下育成方法について、実践するにあたり覚えておくべき理論から、具体的な実践方法に至るまで網羅されています。

これがまた、本当に分かりやすく良くまとめられています。

自分は久しぶりに管理職に復帰したこの春から常に鞄にこの本を入れて持ち歩いていました。

なんせ、上司とのやりとりはともかくとして、部下や後輩との接し方については何をいつどうしたらいいか全く検討もつきませんでしたから……

そして、部下や後輩と話をする前に必要な箇所を読んで、マニュアルのように使ってきたのですが

そのかいあって、言いにくいことを整理した上で伝えられるようになった上、相手の感情を刺激する物の言い方が減ってきた実感があります。

当時の自分のように、マネジメントに関して何ら指針を持たないビジネスマンにとって本書は必携の書と言えるでしょう。

最後に:読んですぐ使える知識と技術が詰まった、人材育成の良著だが……。

本書は読んですぐ使える実践的ノウハウをふんだんに盛り込んでます。

しかし、読んで理解することと実際にやってみるのとは大違いです。

この本に書いてあることが無意識に出来るように、何度も読み返すことが大事だと思います。

良かったらこちらからお買い求め下さい。

ある程度経験があって、理論とノウハウが分かれば自分で実践できる方は本書で大丈夫だと思うのですが

具体的に何をすれば良いか、実践的なアドバイスを強く求める方はこちらの方がお勧めです。


読書の秋とは言いますが、こうした自己啓発書ならただ読んで終わりではなく

しっかり読んだ内容が実生活に役立つようにしていきたいですよね。