ほぼ週刊★平民貴族

心豊かに生きることをテーマにした雑誌ブログ。主に映画と歴史と書籍について書いています。

もはや古代ローマの会いにいけるアイドル!? ウェスタの巫女から神が神である条件を考えてみる

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今週のお題「アイドルをつづる」

アイドルとは今では熱狂的な人気を集める(それこそ宗教を彷彿とさせるように)芸能人を差す言葉ですが

元々英語で偶像を意味します。

そして偶像とは崇拝の対象とする目的のもと神仏を模して作られた物です。

このアイドルという言葉が持つ現在の意味と元々の意味とを両方考えたときに

私が思い浮かべるのはこのブログのタイトルにもなっている

女神ウェスタを祀るウェスタの巫女です。

そもそもウェスタってどんな神様??

ローマ神話の女神ウェスタはギリシャ神話におけるヘスティアに相当し

「かまど」を象徴し、そこから転じて家庭やそれを守る女性を司る神様としてローマ市民から信仰を集めてました。

女神ウェスタの神殿が作られたのはローマの政治の中心地とされるフォルムロマヌムであり

あの有名なコロッセオから数百メートルしか離れていません。

この立地だけでも女神ウェスタがローマの神々の中でも特別な神様だったことがお分かりいただけると思います。

大昔は今と違って時期や場所を選ばず作物を作れるわけではなかったので

日々の食事に対する意識は今と段違いだったでしょうから

かまどの神様が祀られるのも納得ですね。

ウェスタの巫女とは??

ウェスタの巫女は女神ウェスタに仕える女性神官のことです。

貴族階級の中から選ばれ、時代によって変動しますが4~6名いたそうです。

任期はおおよそ30才まで。

学び手の10年、勤め手の10年、教え手の10年同じ巫女でも世代ごとに役割が変わっていきました。

彼女達は宗教的な役割に止まらず政治的にも大きな影響力を持ちました。

ローマという国家を巨大な家族として考えていたローマ人にとって

女神ウェスタが司る家庭と女性を象徴するウェスタの巫女は

ローマ国民全員を愛する母親であり、ローマ国民全員が愛する娘でした。

まさに現代のアイドルにも通じるところがあるのではないでしょうか。

ウェスタの巫女から考える処女性が意味するもの

ウェスタの巫女の特徴として彼女たちは任期を勤める間

純潔を保つことが絶対でした。

破れば死ぬまで地下牢で過ごすことになります。

あまりの扱いの落差に自分もビックリしました。

このあたりも熱愛報道の度に大騒ぎするアイドルファンを彷彿とさせます。


ちなみに自分がこの事実を知ったときに真っ先に思い浮かんだのが

キリストの母マリアと、ローマ建国の祖ロムルスの母親レア・シルウィアです。

この二人はともに処女でありながら神の子を身籠ったとされています。

余談ですがロムルスの母親レアもウェスタの巫女だったとする説があります。


これはあくまで自分の感想ですが

母性を持ちながら処女性を持つ矛盾にこそ意味があるのでは無いでしょうか。

自分たちが神様をイメージするときにはとかくゼウスのように強大な力をもった存在をイメージしがちです。

人間と比べることすらおこがましい「力」こそが神の神たる由縁なのだと。

でも果たしてそれだけが神が神であることの証明なのでしょうか。

マリアやレアのように母親でありながら処女という矛盾。

これは普通の人間には不可能です。

そう、神の関与無くしては不可能なのです。

決してあり得ないことが成立した時、人はそこに神を見るのでは無いでしょうか。

マリアやレアが処女のまま身籠ったとされることも

ウェスタの巫女に純潔を守る掟があったことも

そして、現代のアイドルの一部に恋愛禁止や処女性が求められることも

何か繋がっている気がするのは自分だけでしょうか。



ウェスタの巫女も現代のアイドルもあくまで一人の人間です。

理想の偶像であらんとする努力に敬意を払いながらも

一人の人間なのだから、完璧な偶像でなくても良いのだとおおらかな気持ちで見守っていきたいですね。