まず最初にネタバレはしません。
映画のレビューの時もそうなんですが、
本も映画も予備知識なしの状態で触れるが故の楽しみや喜びがあります。
私はそれを人から奪われたくないし、だからそれを人から奪わないように出来る限り細心の注意を払いたいと思います。
ここがお勧め
- 神話の世界から人が歴史を紡ぐ世界への変遷が垣間見れる。
- 地政学、文化人類学的見地からの見方が分かりやすく紹介されている。
- 大国ではないローマが見られる
- ギリシャ史という最高のスピンオフ
本書のお勧めと言うより、本書が取り上げた時代(ローマ建国からポエニ戦争以前まで)の魅力と言った方が適当でしょうか。
- 神話の世界から人が歴史を紡ぐ世界への変遷が垣間見れる。
例えば私達の住むこの日本だと、日本書紀が正史を扱った最古の書物になりますよね。
この日本書紀にはイザナギやイザナミ、スサノオやアマテラスと言った神々が登場します。
事の真偽は置いとくとして、日本に限らず人間の歴史は神話の世界と地続きであるとされています。
当時の支配階級が自らの正統性を主張する為に神を持ち出したというのがその原因なのでしょうが、それにしても様々な国と地域で神々の時代→神と人の間に産まれた英雄の時代→英雄の血を引く人間の時代への変遷を通して今に繋がってくるというのが個人的には興味深く感じます。
この国や地域を越えた共通点、または相違点に思いを馳せることが好きなのは何も私だけでは無いと思うのですがいかがでしょうか。
- 地政学的見地からの見方が分かりやすく紹介されている。
私は高校で初めて世界史に触れました。
大学受験レベルの世界史だとぶっちゃけ人物と出来事さえ押さえとけば高得点がとれます。
地理的なことが問われる場合でも各王朝の勢力範囲など世界地図が読めれば十分でした。
なので本書で地政学からの掘り下げがされていた点が私にとってとても新鮮でした。
丁度本書を読んでる時期にブラタモリでローマが取り上げられたのもあったのかもし)ませんね(^_^;)
とにもかくにも本書を通してまた1つ歴史の楽しみ方を覚えることが出来ました。
- 大国ではないローマが見られる。
ローマと言えば地中海一帯からイギリスやスペイン辺りまで支配していた大国のイメージが強いでしょうが、本書で取り上げるローマはあくまで一都市国家。
その領土はイタリア半島を出ることは無く、当時はローマより強大な国々がいくつもあり、それらの国々を後から追いかける形で小国のローマが奮闘する姿が描かれてます。
また、そこに後に大帝国を築きあげる要因が散りばめられているのが憎いですね。
- ギリシャ史という最高のスピンオフ
ローマの黎明期ってギリシャの全盛期でもあるんですよね。
歴史って1つの地域で時代を遡っていく縦の掘り下げるのも面白いのですが
一方その頃○○では……みたいに同時代で横へと広げていくのも面白いんですよね( ・∀・)
そういう意味では本書ではギリシャの歴史にも良い具合に触れていて、本当にスピンオフとして最高でした。
ここまでつらつらと感想を述べましたが、これで少しでも楽しさが伝わると嬉しいです。